心を壊したハッピー人間の物語

ブログ

おはこんこん、Iです。
あなたは音も光もない世界に行きたいと思ったことがありますか。

突然奇妙な質問をしてしまい、すみませんでした。
ちなみに、私は思ったことがあります。

「音も光もない世界ってどういうこと?」
今あなたの頭の中には、ハテナが出現していると思います。

ということで今回は、なぜ私が音も光もない世界を求めたのか、私の過去の体験について書いていきたいと思います。
私のつまらない思い出話ですが、良ければ最後までお付き合いください。

ハッピー人間の冬眠

私は中学生の頃、心を病んだ時期がありました。
『病んだ』というと重苦しいので、ここからは冬眠と表現しますね。

冬眠はおよそ2ヶ月弱の短いものでしたが、学校にいるのも家にいるのもしんどく、常に息が詰まっていたのを覚えています。

冬眠の間は常に吐き気を催しており、食欲もありませんでした。
ですが、料理を作ってくれた両親の機嫌を損なうかもという考えから平気なフリをしてご飯を食べていました。
そして結局気持ち悪くなり、気づかれないようにトイレで吐く日々を繰り返していました。
そうこうしているうちに1週間で体重は5キロも落ち、見た目はどんどんやつれていったように感じます。

そんな私は毎晩、自室の窓から月を見て心を落ち着けるとともに、こんなことを考えていました。

「このまま窓から飛び降りたい。私が消えたら誰か悲しんでくれるかな。それとも、最期まで面倒くさい奴だって思われるのかな。いっそのこと音も光もない世界に行きたい。何も感じずに何にも傷つかない世界が良い。」

トチ狂った思考ですよね。
それに自室の窓から飛び降りてもちょっと足折るくらいの高さしかありません。

ただびっくりなことに、冬眠前の私は学校が好きで家も好きで毎日がハッピーな人間でした。
そんな人間が少しのズレから冬眠に入ってしまったのです。

少しのズレ

冬眠には、クラスメイトとの些細な衝突が原因で突入しました。

詳細を書くのは控えますが、これが本当に些細なんです。
そのため、クラスメイト側は衝突したとは思っていないと思います。
むしろ私自身も衝突と言って良いのか分からなくなるほどの些細な出来事です。

そんな小さな出来事がきっかけとなり、私そのものを大きく変えたのです。

初期症状として教室に入ると視界がぐわんと黒くなり、下の画像のような世界が広がるようになりました。

そしてクラスメイトの話し声・笑い声の全てが私に向けられた悪口・嘲笑に感じるようになりました。
完全なる自意識過剰です。

保健室に入り浸るようになり、心配して保健室に様子を見に来てくれるクラスメイトもいました。
ですが、この時の私はこの優しささえも素直に受け取れませんでした。

「上辺だけの心配で、どうせ面倒くさいと思ってる」

捻くれてますよね。
まだまだ捻くれは止まりません。

ついにクラスメイトだけでなく先生、家族など私が関わる全ての人から「またこいつかよ、面倒くさい」と心のどこかで思われていると感じるようになりました。

私の周りにいる人達がそんなことを思う人達じゃないと分かっているはずなのに、どうしても彼らの言葉を信用することができず孤独を感じていました。

むしろ優しい言葉をかけられればかけられるほど、その思い込みは加速し、苦しくなっていたように感じます。

ともかく誰からも愛されていない、必要とされていないと強く感じていました。

春が来る

さて、そろそろ冬眠中の私にも春が来ます。

ある朝、起きた時に今日は本当に学校に行けない、行きたくないと思う日がありました。
何を言われるだろうと不安な気持ちを抱えたまま、母に学校を休みたいことを伝えました。

「うん、休みたいなら1日くらい休んでもいいんじゃない?今日は家でゆっくりしてまた明日から学校に行こうか。」

あっさりOKが出ました。
理由を聞かれるか、そもそもダメと言われるか、そんなことを考えていた私にとっては拍子抜けの展開でした。

しかも、ただ休むのを許すのではなく私がずるずると立ち止まることのないように、『明日は行く』という1釘を刺してくれました。
この対応がその時の私にはクリティカルヒットし、家族が私を大切に思ってくれていることを思い出すことができました。

そしてなんと1日休んだことによって、学校に行きたいという思いが生まれました。
正確には、部活動に参加できないことが悲しくて『部活動に参加するために学校に行きたい』と感じました。
というのも私は所属していた部活動の活動内容も活動メンバーも大好きで、部活動が冬眠中でも唯一笑える場所でした。

母との約束通り次の日からは普通に登校し授業を受け、放課後の部活動を楽しみました。
まだまだ教室にいることは苦しかったですが、自宅という心を落ち着けられる安全地帯もできたことで、心の状態が悪化することはありませんでした。

そして有り難いことに、この後すぐに夏休みに入りました。
見出しは春が来るですが、実際に訪れたのは夏です。☺

夏休みは部活動だけに集中することができたため、精神状態も体調もぐんぐん良くなっていきました。
夏休み明けからは保健室に入り浸ることもなくなり、一般的な中学生生活を送って無事に卒業することができました。

特別な経験

当たり前ですが、冬眠期には戻りたくもないし二度と経験したくもありません。
冬眠中が苦しかったのはもちろん、冬眠後も全てが元通りとは行かずに今でも苦しむことがあるからです。

具体的には、人からの評価を気にしすぎたり、様々な刺激や環境の変化に極端に弱くなりました。
そして今でも心のバランスが崩れやすく、そのたびに自分と戦っています。

ただ、私は今の自分が大好きで満足しています。

冬眠前の私は学校大好きハッピー人間であり、人の気持ちに寄り添えない自分勝手人間でした。
そんな私が冬眠後には、必死にハッピーになろうとしているネガティブ人間であり、人の気持ちに寄り添えるそこそこ良い人間になりました。

自分で言うなよと言われそうですが、そこそこ良い人間、、、のはずです。

人の気持ちに寄り添えないハッピー人間より、人の気持ちに寄り添える年中ハッピー捜索ネガティブ人間のほうが個人的には好きです。

というわけで、冬眠は今の私を形成するための重要な要素だったと感じる特別な経験です。
戻りたくもないし二度と経験したくもありませんが、冬眠を経験できて良かったと心から思います。

世界の魅力発見隊

『音も光もない世界に行きたい』
そう感じていたあの頃の自分に、今会えるなら伝えたいことがあります。

素敵な人、素敵な音楽、素敵な景色、この世界にはたくさんの魅力があるんだよ。
今見えているもの、聞こえているものが全てじゃない。
あなたの目があれば、耳があれば、これからたくさんの魅力に気づけるよ。

さて、ここまで私の長い長い思い出話に付き合ってくださり、本当にありがとうございました。

今この瞬間にも、過去の私と同じように苦しんでいる青年達は大勢いて、それぞれが自分なりに必死に戦っているのだと思います。
私にできることは何もありませんが、青年達の進んだ先に満足な未来が待っていることを心から願っています。

またどこかであなたとのこ゚縁がありますように。

タイトルとURLをコピーしました